効果測定
enodeを活用したMCトレーニングの効果測定
丹羽真也 さつき接骨院 satukiスポーツトレーナースタジオ 一般社団法人MCA学会 会員 MCA学会ベーシックインストラクター
令和6年10月25日
要旨(Abstract)
継続的に低負荷でのMCトレーニングを行うお客様に対して「本当に筋トレ効果が出ているのか?」ご質問、ご意見をいただくことが多く。その疑問を解消するために、中京大学篠原教授にアドバイスをいただき、本来はVBTトレーニング用の機器であるenodeを活用し簡易的なジャンプ計測を行うこととした。
3カ月間。月に1回計測できた方のみを抽出しトレーニング効果が出ているのか検証した。48人中39名の方が明確に上昇。9名の方は計測結果に波がある、もしくはほぼ横ばいとなった。右肩下がりの人はいなかった。
キーワード(Keywords)
BFRT、RIC、血流制限可でのトレーニング効果
序論(Introduction)
MCCを使ったBFRTにより、速筋が鍛えられる。とされているが当院で行っている低負荷でのBFRTにおいても速筋が鍛えられているのかを検証した。
方法(Methods/Materials and Methods)
対象は当院に継続的にトレーニングに通っているお客様。
月に1回トレーニング前にenodeを活用し計測
計測時の動きは、腰に手を当てた状態でのCMJ
結果(Results)
3カ月間月に1回計測できた方のみを抽出し検証した。
・48名中39名の方が明確に上昇傾向にあった。
・9名は横ばい、もしくは計測結果に波があった
・右肩下がりで下がっていく人はいなかった。
・中学生年代の上昇率が最も高く、中高年の女性の方は上昇率が緩やかであった。
・女性よりも男性の方が効果が明瞭であった。
・常時運動している方は当日のコンディションによる影響が大きく出る感じであった。
・計測後あまり数字が良くなかった場合はRIC後に再度計測すると上昇する方が5割以上あった。
・中小臀筋のトレーニングと肩甲骨内縁のトレーニングのみの場合でもジャンプ高の上昇がみられた。
*ほとんどの方(48名中45名)のトレーニングメニューが低負荷で行うMCトレ(80%以上の血流制限下で行うBFRトレーニング)添付動画を参照。一つの動きに対して45秒
合計45秒×8セット、150秒×2回のRICを実施。
考察(Discussion)
・常時運動を行っている方やアスリートに対しては、より長期にわたる計測が必要であると感じたが、マイナスの結果にはならないと推測できる。
・ほとんどの方がジャンプトレを行っていないのにジャンプ高が上昇した。スクワットのみのトレーニングでは耐久力は上がったがジャンプ高は上昇しなかった例があり、一方で中小臀筋のトレーニングがメインであったにも関わらずジャンプ高が大幅にアップした例もあった。ワイドスクワット系ではジャンプ高の上昇は上がりにくいと感じ、屈伸体操の延長のような動きの方がジャンプ高が伸びる傾向にあった。
また、片足立ちでのバランスを整え、しなやかな股関節の回旋動作の獲得を主な狙いとしていた中小臀筋のトレーニングがジャンプ高に良い影響を与える可能性を感じた。
仮説としては、四頭筋などアウター系の力を抜いて身体のコントロールを行うことで必要なタイミングで筋力を最大限活かすことができるようになり結果としてジャンプ高の上昇が起こったのではないかと考えことができる。アウター系の力を抜き身体操作をイメージ通り行うことができるようにするトレーニングを取り入れることでパフォーマンスの向上が得られる可能性を今後の仮説構築のための参考事例として共有しておきたい。
MCトレを活用することで、通常では認知しにくい効かせにくい中小臀筋のトレーニングを一般の方でも容易に認知しやすくなり、且つ45秒程度でほぼワークアウトできる。(トップアスリートでも60秒×2回程度ほぼワークアウトできる)。これを活用しインナー系のトレーニングにおいても速筋が賦活化されるのか?今後のテーマとしてみていきたい。
結論(Conclusion)
低負荷のMCトレーニングを週1回程度行うことでジャンプ高は上昇した。
年代問わず、速筋トレーニングができる。と言える。
謝辞(Acknowledgements)
研究のきっかけを作っていただいたMCA学会。幅広く深い見識から、最適な検査機器を紹介していただいた中京大学スポーツ科学部教授 篠原純司教授。そして快く計測させていただいたいお客様。計測を行ったトレーナーの皆様。一つ一つがつながることで無事に研究を行うことができました。心より感謝致します。
利益相反(Conflict of Interest)
本研究は,著者が所属する「一般社団法人<CA学会」の研究助成費で,実施された。
参考文献(References)
BFRTシステマティックレビュー 中京大学 篠原教授
以上
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